2021年10月15日(金)~10月16日(土)に名古屋国際会議場とWebでのハイブリッドで開催された「第64回秋季日本歯周病学会学術大会」において、下記の発表を行いました。
題名
「口腔細菌によるバイオフィルム形成に対する、緑藻ミルCodium fragile抽出物と塩化セチルピリジニウムとの相乗作用について」
発表要旨
歯周炎やう蝕に代表される口腔感染症はプラーク(歯垢)中の細菌により引き起こされる。ブラーク形成は、初期付着菌(主にレンサ球菌群)が歯面の唾液皮膜(ペリクル)に付着し、不溶性グリカンを産生しバイオフィルムを形成し、その後、種々の口腔細菌が吸着・増殖を繰り返すことによってバイオフィルムが肥大化・成熟し、最終的にプラークが発達する。成熟したプラークにおいては、種々の菌及びその分泌物質である不溶性のグリカンが過密なネットワークを形成しており、各種抗菌剤の浸透性が悪く、口腔ケアに一般的に用いられる抗菌剤(塩化セチルピリジニウムなど)を用いた治療は効果が薄いことが知られている。そのため、口腔感染症の予防法として、プラーク形成の初期段階である初期付着菌の付着を抑制するアプローチが検討されている。
我々は、これまでに緑藻Codium fragile 抽出物 (CFE)について、S.mutansに対する付着抑制作用を確認している。本研究では、CFEの作用を更に向上させるために、各種抗菌剤との併用効果を確認した。
第64回秋季日本歯周病学会学術大会