2022年6月 3日、4日に東京・京王プラザで開催された第65回春季日本歯周病学会学術大会にて、以下の発表を行いました。
【発表タイトル】
緑藻ミルCodiumu fragile抽出物/塩化セチルピリジニウム複合体による歯面のコーティング作用について
【発表要旨】
歯面及び歯周組織に形成される,口腔バイオフィルム(デンタルプラーク)は,様々な口腔細菌の集合体であり,歯周病を始めとした細菌性の口腔疾患の原因として考えられている。また,バイオフィルムは,口臭や歯面への色素沈着などにも関与している場合があり,コミュニケーションを阻害する原因でもある。成熟したバイオフィルムに対しては,抗菌剤の浸透が抑制され,抗菌剤治療の効果は薄いことが知られており,そのため,成熟前にその形成を阻害あるいは遅延させることが重要である。バイオフィルム形成における最初期の段階として,レンサ球菌などの初期付着菌による歯面ペリクルへの付着があり,この段階を阻害することができれば,効果的な治療・予防措置になりうる。以前に我々は,緑藻ミル Codium fragile抽出液(CFE)が口腔細菌の吸着を阻害すること,更にこの阻害作用は塩化セチルピリジニウム(CPC)に代表される陽イオン性抗菌剤により増強されることを報告している。本研究では,このCFEとCPCとの相互作用を明らかにするために,CFEとCPCのコンプレックスを単離・精製し,その機序を明らかにすることを目的とした。
今回の結果から、CFEとCPCを混合することで,約100nmの微細なコンプレックスの形成が確認された。この得られたCFE-CPCコンプレックスには非常に強力な口腔細菌の唾液吸着プレートに対する吸着抑制作用が確認された。
【発表詳細】
第65回春季日本歯周病学会学術大会(東京)
○ 開催日:6月 3日、4日
○ 会場:京王プラザホテル
公式サイト:https://web.apollon.nta.co.jp/jsps65/
○ ポスター会場(第1日) P-37
緑藻ミルCodiumu fragile抽出物/塩化セチルピリジニウム複合体による歯面のコーティング作用について
◎竹内 良太,伊藤 賢一(一丸ファルコス株式会社)
第65回春季日本歯周病学会学術大会